シリコーン樹脂

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1.樹脂の概要

シリコーン樹脂はケイ素樹脂とも呼ばれ、電気・電子・自動車・建築・化学・化粧品・繊維・食品など様々な分野で使用されています。一般的にはシラン化合物を加水分解し、シロキサン結合で高分子量化した有機置換基を有するポリマーの事を指し、無機と有機が融合したハイブリッド・ポリマーであると呼ばれています。シリコーン樹脂は、その構造から非常にユニークな特性を示し、構造の制御、各種有機官能基の導入などにより、用途に応じたカスタマイズが可能であるため、樹脂性能の向上が図られ応用分野も拡大していっている材料です。工業生産が開始されてから70年以上が経過していますが、出願される特許は年々増加しており、更なる発展が期待される注目の材料になります。

2.反応のメカニズム

シリコーン樹脂は、使用条件に適した硬化反応が選択可能です。以下に代表的な硬化反応について示します。

①シラノール基同士の脱水縮合反応

Si-OH + HO-Si → Si-O-Si + H2O

この反応は、シリコーンレジンなどの硬化反応に広く利用されています。基本的には、加熱によって硬化反応が進行し、金属系の触媒が使用されることが多いです。

②シラノール基と加水分解性基間の縮合反応

Si-OH + RO-Si → Si-O-Si + R-OH

この反応は、シリコーンレジンや縮合型液状シリコーンゴムの硬化反応に利用されています。基本として、酸・アルカリ・金属触媒の存在下で常温で反応が進行します。加水分解性基(RO-Si)としては、アルコキシ基・アセトキシ基・オキシム基・アミノキシ基・プロペノキシ基などがあり、用途に応じて使い分けられます。

③ビニルシリル基とヒドロシリル基との付加反応

Si-CH=CH2 + H-Si → Si-CH2-CH2-Si

この反応は、シリコーンゴム・シリコーンレジン・剥離紙などの硬化反応として幅広く利用されています。付加反応は常温硬化・加熱硬化いずれも可能であり、更に開放系・密閉系どちらでも硬化できる特徴を有しています。また、縮合反応と異なり、反応過程で副生成物が生じないため硬化物は密封耐熱性に優れます。一方で反応には白金触媒の使用が必須であり、その触媒活性を阻害する窒素化合物・リン化合物・硫黄化合物などの微量混入で硬化が阻害される欠点を持っています。

3.特長・メリット

シリコーン樹脂は、主鎖が無機骨格のシロキサン結合(-Si-O-Si-)であり、側鎖にメチル基やフェニル基などの有機基を有するため、無機物と有機物の両方の性質を兼ね備えるハイブリッド材料と言われています。一般的な高分子である、主鎖がC-C結合からなる有機高分子と比較して、耐熱性・耐寒性・耐候性・電気特性・撥水性・離型性などの多彩な特性を有している材料となっています。シリコーン樹脂の基本骨格は、親水性を示すSi-O結合を内側に、疎水性を示す有機基を外側に向けた『らせん構造』を取っていることが最大の特徴です。このらせん構造はイオン性の引き合う力によって安定化しており、外側を疎水性を示す有機基で覆われているため、表面エネルギーやシリコーン樹脂同士の引き合う力は比較的弱くなります。そのため他のプラスチック材料では見られない消泡性・離型性・撥水性・圧縮率が大きい・気体透過性が大きい・耐寒性が良い・各種特性の温度依存性が小さいなどのユニークな特徴を示します。

4.用途

シリコーン樹脂には様々な特長・メリットがあることから建設、電子/電機、一般産業用、パーソナル/ライフスタイル、輸送機械など多様な用途に使用されています。弊社の代表的な用途としては以下のようなものがあります。

①耐熱封止材

他の有機樹脂にないシリコーン樹脂の耐熱性を活かした封止剤で、抵抗器や温度センサーなどの電子部品の封止用途において長い実績を有しています。低コスト化が求められる用途向けにコンク品タイプと低温硬化タイプをラインナップしています。

➁外装用不燃塗料

シリコーン樹脂の不燃性と耐熱性を活かした塗料です。抵抗器やサーミスターなどの電子部品の外装用途において、長い採用実績があります。

③LED材料

シリコーン樹脂は耐熱性、耐光性が優れることから、照明やテレビ用バックライト等の長期信頼性が求められるLEDに使用されています。シリコーン樹脂の使用箇所としては以下のものがあります。 当社は封止材料、ダイボンド材料にて採用実績を有しています。

(1) 封止材料
(2) ダイボンド材料
(3) リフレクター
(4) シリコーンレンズ
(5) 放熱材料

④離型剤

シリコーンは分子の表面がメチル基で覆われており、表面エネルギーが低くなり、凝集力(分子同士の引き合う力)が低下するという特徴を持っています。例えば、樹脂成型用の金型の表面に塗られたシリコーンは、薄く金型の表面に広がります。そこに熱可塑樹脂を流し込めば、樹脂が冷却した後でも簡単に剥離することができます。化学的に不活性であり、耐熱・耐寒性に優れ、広い温度範囲で優れた性能を発揮するなどの理由から離型剤としてゴム工業、樹脂工業、食品工業、ダイカストなどさまざまな分野で利用されています。シリコーン離型剤には、エマルジョン型、オイル型、溶液型、焼き付け型、スプレー型があります。当社ではスプレータイプのエポリーズにて長い実績があります。

当社関連製品

シロックス<電子部品用耐熱シリコーン樹脂>

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