環境配慮型シリコーン充填剤の新技術とは?

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誕生のきっかけ~VOC対策品への挑戦~

近年、気候変動の増大や資源の枯渇等、地球規模の環境リスクに私たちは直面しています。その対策とし、環境負荷物質である揮発性有機化合物(VOC)排出総量の規制が強化され、VOC規制物質であるキシレンが含まれない充填剤のご要望が増大しています。

キシレンは安価であり、乾燥時の揮発性に優れ、充填剤と混合した場合、低粘度で作業性が良好である大きな利点があります。この溶剤であるキシレンを使用せず、かつ充填時の作業性と乾燥時の揮発性を両立させることが緻密充填性を向上させる大きな課題になっています。

私たちはお客様との密着型開発を通し、緻密充填性が高い環境配慮設計のシリコーン充填剤開発を進めています。

XB-7388の4つの特徴

充填剤の緻密性技術

VOC規制に該当しないキシレン代替溶剤と、この代替溶剤に合わせた充填材料を新たに配合しました。開発品であるXB-7388は、キシレンを使用した従来の充填剤と同等の緻密充填性が認められ、かつ作業性が良好となる技術を確立しました。下記の図は、種類の違う充填剤を、各々のセラミックケースに注型し、十分に硬化した後の断面画像です。断面画像から、XB-7388は緻密充填性が良好であることが認められます。

さらなる進化

高い信頼性が求められる車載部品へ対応するべく、更なる高性能化を進めています。

機械的強度UPによって、低温~高温までのヒートサイクルでも充填剤のクラック発生を抑制する技術に取り組んでいます。下記の図のように、従来の充填剤(キシレン使用)ではヒートサイクル後で表面に多数のクラックが生じます。このクラックは、ヒートサイクルの過程で、局所的に応力が集中することで発生します。

一方、開発品は充填剤の機械的特性を制御することで、耐ヒートサイクル性が改善していることが認められました。現在、ヒートサイクル数を延長し、高い信頼性を求め、更なる評価を継続しています。

備考:ヒートサイクル試験条件は、-55 ~ 155℃ 100サイクルを実施
硬化物は外観を確認しやすいよう、レッドインキで着色しています。

開発1グループ 齊藤

開発品に関するお問い合わせ

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